構造用集成材
等級区分したひき板(ラミナ)を集成接着したものであって、所要の耐力に応じた断面の大きさと安定した強度性能を持ち、大スパンの建築物の建設も可能です。
一般的に木質構造の耐力部材として柱、梁、桁などに使用されます。
構造用集成材は国土交通省告示に基づいて材料強度が定められています。
また日本農林規格(JAS)認定材となります。
-
1893年にドイツで誕生して以来100年以上の歴史を持つ集成材。 当時に比べて接着技術が格段に進歩した現在では、少なくとも100年の耐久性を持つといわれ、新世紀の建築部材として大きな注目を集めています。
日本の住まいづくりは、建築基準法の改正によって「仕様規定」から「性能規定」へと移行し、部材については性能の明確な表示が求められるようになってきました。
集成材が使用されているのは優れた耐久性に加え、高い強度がある為です。こうした特性が明確な性能表示と信頼に足る構造計算を可能にし、公共建築物などの大規模な木造建築にも集成材が普及しています。
木材は鉄骨と比べると比重が軽いという特長があります。デンマークで1927年に集成材を使って建築されたコペンハーゲン中央駅は今も当時と変わらずあります。
-
木の欠点を取り除いたラミナを用い、高性能の接着剤で圧着しているので、無垢材の約1.5倍の平均強度を備えています。そのため設計面での優位性、経済性の観点からも多用されるようになってきました。
-
木材は燃えますが、断面が大きくなると表面は焦げて炭化層ができ、内側への酸素の供給が絶たれるので燃えにくくなります。炭化実験によると1 分間に0.6mm-0.8mm の速度で炭化すると言われています。
この炭化層が保護層になるので、内部温度は発火点以下に抑えられ、構造上の必要な強度を保ちます。建築基準法令でも集成材の防火性能が認められています。
-
含水率をはじめ圧縮・引っ張り・曲げ等に対する強度、接着性能など、構造用集成材はJASの適合基準をクリアしています。
バラツキの少なさは工業製品ならではのメリット。またムク材にありがちな反りや割れ、乾燥収縮を防ぐため、含水率を15%以下に設定。狂いや縮み変型が発生しにくい寸法安定性を可能にしました。
-
鉄骨のH鋼と強度の配置が同じようになってきます。 強度で表裏はなく、主に梁に使用されます。
※右図中L160とは、ひき板の曲げヤング係数が16(10³N/m)に適合したものであることを示しています。
-
集成材は木としての温もりを持っています。NK工法での接合は、金物が木部に隠れています。木造としての質感を損ねることなく、魅せることができます。
そのまま構造材をデザインの一部として室内に見せることが十分可能です。また、着色などにより室内演出のアクセントにもなります。